秩父郡市医師会は「地域の皆様が安心して健康に暮らすこと」を目的にさまざまな活動・提言を行っています。

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秩父コロナ情報

会長あいさつ「秩父地域の皆さんへ」

秩父地域の皆さんへ(新型コロナウイルス感染症の現状と対策)

 

新型コロナウイルスの感染が世界中に広がっています。秩父地域の皆さんも日々不安を感じ、緊張してお過ごしのことと思います。

新型コロナウイルスは我々医療者からみても想定外の甚大な被害を及ぼしており、非常に怖い感染症であることを強く感じています。すでに首都圏の医療体制は崩壊の危機に瀕しています。

その中で秩父地域の病院・診療所は、保健所や市町村とともに地域の皆さんの健康を守るために、感染症対策に当たっています。

しかし、この感染症を乗り越えるためには地域の皆さん一人一人の御協力が不可欠です。皆さんが「自分を守る」、「家族を守る」、「地域を守る」ために御協力の程よろしくお願いします。

 

《なぜ新型コロナが怖いのか?》

新型コロナウイルスは風邪のウイルスの一種です。これまで存在しなかったウイルスなので、誰も免疫を持っていません。その為一定の条件が揃うと非常に強い感染力があります。「自分は風邪を引きにくい。」「インフルエンザにかかったことがない。」などということは通用しません。誰でも感染してしまう危険があります。

また、軽症の風邪や無症状ですむ割合が多く、誰が感染しているのかが把握しきれない為、拡大をとめることができません。知らないうちに自分が感染して、他人に感染させてしまう可能性があるのです。一方で20%もの人が重症化し、命にかかわる重い症状が出てしまいます。その為、日常生活の中で多くの人が感染し、多くの人が重症化し、多くの人の命を奪う怖い感染症なのです。

 

《私たちはどうすべきか?》

現時点では新型コロナウイルスに対しての有効な治療、予防接種はありません。また、地球上に完全に安全な地域はありません。とにかく感染を広げない為にみんなで行動しなくてはいけません。

その為には「自分は絶対に感染しない」、「自分は絶対に感染させない」という意識を全員が持って行動することが重要です。

 

《ステイホーム(家から出ない)》

感染拡大を防止する為の全世界のキーワードは『ステイホーム(家から出ない)』です。これは人と人が接触する以上は新型コロナウイルスの感染を防ぐことができないことを意味しています。感染の原因として飛沫感染・接触感染と言われていますが、これらは人が集まれば完全に避けることは不可能です。接触の機会を極力減らすことが一番重要です。やむを得ない外出の際は、特に密閉・密集・密接(3密)は避けて行動しなくてはいけません。

 

《秩父地域の皆さんへ》

(1)感染拡大を防ぎましょう

◎ 秩父地域は幸い現時点では大きな流行はみられていません。しかし、元々高齢者も多く、医療資源は限られています。今後も秩父地域での流行は何とか阻止しないといけません。皆さんが身近に迫った自分の問題として、十分注意してください。

◎ 自分の生活をもう一度見直してください。自分の生活の中で、「感染してしまう」、「感染させてしまう」可能性のある瞬間をそれぞれで考えてください。その瞬間の危険を減らすために、「自分で」、「家族で」、「職場で」できることを考えて改善してください。

◎ 秩父地域外との往来には特に注意してください。地域の多くの飲食店や宿泊施設、観光地が地域を守るために身を削って対策をして下さり、観光客の来訪は減少しています。仕事などでやむなく往来する場合(特に都心部)は、地域に感染を持ち込まないために最大限の予防をしてください。

◎ 仕事や学校の都合で都心から帰省した方々は感染予防のため可能な限り2週間は自宅からの外出は控えて下さい。

◎ 若年者の皆さんは、比較的重症化のリスクが少ないと言われています。しかし、「自分はかかっても大丈夫」と思っている場合ではありません。その油断が大切な家族や友人の身を危険にさらすことになるのです。今、全世界の社会が壊れようとしています。とても多くの人が命を落としています。他人事と思わず感染予防をお願いします。

 

(2)医療機関の受診について

◎ 軽い風邪の症状がある時は、まず自宅でしっかり休養をとってください。数日で改善しても原則7日間は自宅で休むことを心がけてください。

◎ 風邪の症状につらさや不安を感じたらかかりつけの医療機関に電話してください。医療機関の指示に従って、受診をするのか様子をみるのか判断してください。

◎ 強いだるさ、息苦しさ、⾵邪の症状や 37.5 度以上の発熱が 4 ⽇以上(⾼齢者や基礎疾患等のある⽅は 2 ⽇程度)続く場合は、保健所に設置されている「帰国者・接触者相談センター」に相談してください。

◎ 元々医療機関に通院されている方は、持病の治療を中断しないでください。受診を控えたり薬の服用を中断すると持病の悪化につながり、万一コロナウイルスに感染した時には重症化する危険性があります。いつも通りの治療継続、いつも以上の体調管理を心がけてください。

 

(3)ストレスに負けないようにしましょう

◎ 今は皆さんにとって、とてもストレスの強い状況で、気持ちも沈んでしまうと思います。家の中でできる楽しいこと、人との接触を伴わない屋外での運動など、気分転換を心がけてください。また電話やテレビ電話を使って、いつも以上に人と話すことを心がけてください。お互いが励ましあうことが大きな力になると思います。

 

新型コロナウイルスと世界中の人が戦っています。世界中の医療者・科学者がウイルスに打ち勝つための方法を研究しています。世界中の人が力を合わせることで、そう遠くない未来に人間がウイルスに勝つことができると信じています。秩父地域も心を一つに頑張っていきましょう。

 

令和2年4月16日

文責 近藤俊夫

 



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